受給資格

12分で読了 ・ 2026/05/06 更新

失業保険、自分はもらえる?受給資格を3ステップで判定する

失業保険(基本手当)を受給するには「雇用保険の被保険者であった」「必要な被保険者期間を満たす」「失業の状態にある」の3要件が必要。年齢・退職理由・雇用形態別に、自分が対象かを30秒で判定するフローを整理しました。

「失業保険、自分はもらえるのか?」── 退職を検討する方が最初にぶつかる問いです。雇用保険料を払っていれば誰でも対象、というほど単純ではありません。

判定軸は 3つだけ です。3ステップ順に確認すれば、ご自身が対象か30秒で分かります。

ステップ1: 雇用保険の被保険者だったか

最初の判定軸は、退職した時点で 雇用保険に加入していたか です。

加入対象だった方

  • 正社員(雇用契約あり)
  • 契約社員・派遣社員(週20時間以上 + 31日以上の雇用見込み)
  • パート・アルバイト(同上の条件を満たす)

毎月の給与明細に「雇用保険料」の天引きがあれば、被保険者だった証拠です。

加入対象外だった方

  • 公務員(国・地方公務員は雇用保険ではなく退職手当制度)
  • 自営業・個人事業主(雇用関係がないため)
  • 業務委託・請負(実態が労働者性なしと判定される場合)
  • 役員(労働者性ありと認定されれば対象)
  • 週20時間未満の短時間労働者
  • 31日以上の雇用見込みがなかった方

公務員・自営業の方は別の救済制度を確認します。詳しくは公務員と失業保険の関係個人事業主・フリーランスの記事を参照してください。

グレーケース

  • 業務委託: 実態が雇用関係に近い(指揮命令あり・時間拘束あり)と認定されれば対象になる可能性あり
  • 役員: 兼務役員(取締役兼部長など)は労働者性が認められれば対象
  • 短期雇用: 3ヶ月契約等の有期雇用でも、更新を含めて31日以上の雇用見込みがあれば対象

判断に迷う場合は、お住まいの管轄ハローワークで相談することを推奨します。

ステップ2: 被保険者期間を満たしているか

2つ目の判定軸は 被保険者期間 です。退職理由によって必要期間が変わります。

自己都合・定年(一般受給資格者)

離職前 2年間 に被保険者期間 通算12ヶ月以上

会社都合(特定受給資格者)・特定理由離職者

離職前 1年間 に被保険者期間 通算6ヶ月以上

「1ヶ月」のカウントルール

雇用保険における「被保険者期間1ヶ月」は次のいずれかです。

  • 賃金支払基礎日数が 11日以上 の月
  • 賃金支払基礎時間が 80時間以上 の月(短時間労働者用、令和2年8月以降)

例えば月の出勤日数が10日のパートタイムの方は、その月は被保険者期間にカウントされません。月10日勤務 × 24ヶ月勤続でも、被保険者期間は 0ヶ月 という判定になり得ます。

通算ルール

複数の会社を渡り歩いた場合、各社の被保険者期間を 通算 できます。ただし、過去に基本手当を受給した期間以前は リセット されます。

詳細は失業保険を一度もらうとどうなる?の記事で解説しています。

ステップ3: 失業の状態にあるか

3つ目の判定軸は 失業の状態 です。これが意外と落とし穴になります。

失業の状態とは

就業の意思と能力があるにもかかわらず、職に就くことができない状態

「働く意思」と「働ける能力(健康等)」の両方が必要です。

失業状態と認められないケース

  • 病気・けがで、すぐには就職できない状態
  • 妊娠・出産・育児中で、すぐには就職できない状態
  • 親族の介護で、すぐには就職できない状態
  • 学業に専念している(昼間学生)
  • 家事専念中(家事手伝いの意思が強い)
  • 既に再就職先が決まっている方(受給資格決定前から)
  • 1日4時間以上のアルバイトを継続している

「すぐ就職できない」場合の救済策

病気・出産・育児・介護等で就職できない期間が 30日以上 続く方は、受給期間延長手続き を行うことで、回復後に受給を再開できます。

詳しくは受給期間延長の手続き記事を参照してください。

判定フロー:30秒チェック

3ステップを順に確認すれば、対象かが判定できます。

「対象だが満額もらえない」ケース

受給資格はあっても、満額受給に至らない方がいます。

ケース①:認定日に求職活動実績が不足

4週間に1度の認定日ごとに、求職活動実績2回以上の申告が必要です。実績不足の場合、その認定対象期間の基本手当は不支給となります。

ケース②:受給期間(離職日翌日から1年)を超過

基本手当を受給できる期間は 離職日の翌日から原則1年間 です。この間に所定給付日数を消化しきれなかった場合、残日数があっても支給は終了します。

ケース③:受給途中で再就職

再就職した時点で基本手当の支給は終了します。ただし、残日数が3分の1以上ある場合は 再就職手当 の対象となる可能性があります。

詳しくは再就職手当の完全ガイドを参照してください。

年齢別の特殊ルール

65歳未満の方

通常の基本手当の対象。給付日数は90〜330日。

65歳以上で離職した方

基本手当ではなく、高年齢求職者給付金 という別制度の対象です。一時金として一括支給されます。

被保険者期間給付日数
1年未満30日分
1年以上50日分

老齢年金との 併給可能 という大きな利点があります。詳細は65歳前後の退職判断記事で扱っています。

雇用形態別の判定

雇用形態対象 / 対象外主な要件
正社員対象通常の被保険者期間要件
契約社員対象31日以上の雇用見込み + 週20時間以上
派遣社員対象同上。派遣切り時は会社都合扱い可能
パート対象同上。月11日以上の出勤が必要
アルバイト対象同上
業務委託原則対象外労働者性が認められれば例外あり
個人事業主対象外雇用関係なし
公務員対象外退職手当制度が代替

詳細は雇用形態別の記事を参照してください。

計算例:自分のケースで判定

ケースA:35歳・正社員・自己都合・5年勤続

  • ステップ1: 雇用保険加入 ✓
  • ステップ2: 被保険者期間 60ヶ月 ≥ 12ヶ月 ✓
  • ステップ3: 健康・働く意思あり ✓
  • 受給対象(90日分)

ケースB:28歳・派遣社員・契約満了・8ヶ月勤続

  • ステップ1: 雇用保険加入 ✓
  • ステップ2: 被保険者期間 8ヶ月。自己都合だと不足だが、契約満了は 特定理由離職者 として6ヶ月でOK ✓
  • ステップ3: 健康・働く意思あり ✓
  • 受給対象

ケースC:42歳・正社員・出産退職・7年勤続

  • ステップ1: 雇用保険加入 ✓
  • ステップ2: 被保険者期間 84ヶ月 ✓
  • ステップ3: 出産前後3ヶ月は失業状態と認められない可能性
  • 受給期間延長手続きを行ったうえで、回復後に受給対象

ケースD:30歳・個人事業主・3年経営後廃業

  • ステップ1: 雇用保険加入 ✗(自営業は対象外)
  • 対象外。求職者支援制度を検討

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出典・参考


最終更新: 2026年5月6日 改訂履歴: 2026/04/02 — 初版公開

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