自己都合

11分で読了 ・ 2026/05/05 更新

自己都合で辞めたら失業保険はいつから?2025年4月から1ヶ月待ちに短縮

自己都合退職の失業保険は「待期7日 + 給付制限1ヶ月」を経て支給開始。2025年4月の改正で給付制限が3ヶ月→1ヶ月に短縮されました。所定給付日数は被保険者期間に応じて90〜150日。受給開始日の数え方と、教育訓練で0ヶ月にする方法を整理します。

「自分で辞めると失業保険が3ヶ月待ち」── この前提で家計を組み立てている方、要注意です。2025年4月の改正で、給付制限期間は3ヶ月から1ヶ月に短縮されました。退職時期と、退職前の生活防衛資金の必要額が、改正前後で大きく変わります。

この記事では、自己都合退職の方が「いつから」「いくら」受け取れるのかを、2025年改正後のルールで整理します。

「いつから」のタイムライン

退職した日から、最初の振込までの流れを時系列で示します。

仮に 6月30日退職 の方を例にします。

日付出来事
6/30退職(離職日)
7/1〜7/14会社が離職票を発行(通常2週間程度)
7/15離職票を受け取り、ハローワークで求職申込み(受給資格決定日)
7/15〜7/21待期7日間
7/22〜8/21給付制限1ヶ月間
8/22給付制限明け、基本手当の支給対象期間が始まる
8/29初回認定日(求職活動実績2回以上を申告)
9/3頃初回振込(認定日から3〜5営業日後)

退職から初回振込まで約2ヶ月。「すぐ振込まれる」と誤解して家計が苦しくなる事例が出るのは、この空白期間の長さに対する備えが薄いことが原因です。

改正前との比較

2025年4月以前は給付制限が 3ヶ月 でした。同じ条件の方が改正前に退職した場合、初回振込は退職から約4ヶ月後となっていました。2ヶ月の短縮効果 は、生活防衛資金の必要額を1ヶ月分以上減らせるインパクトです。

「いくら」の決まり方

自己都合退職の方が受け取れる総額は、次の3要素で決まります。

  1. 基本手当日額(賃金日額 × 給付率 50〜80%)
  2. 所定給付日数(被保険者期間で決まる)
  3. 満期まで受給できるか(再就職した場合は途中で打ち切り)

詳細な計算式は失業保険の金額はどう計算する?で扱っていますので、ここでは所定給付日数を中心に整理します。

自己都合の所定給付日数

被保険者期間所定給付日数
1年未満受給資格なし
1〜10年未満90日
10〜20年未満120日
20年以上150日

会社都合(特定受給資格者)と比較すると、同じ年齢・同じ被保険者期間でも給付日数は半分以下です。例えば10〜20年未満の被保険者期間がある45〜59歳の方は、自己都合で 120日、会社都合で 330日 と210日の差が生まれます。

1年未満の被保険者期間で退職する場合

被保険者期間が1年に満たない場合、自己都合では原則として受給資格がありません。同じ職場に1年以上勤続するか、転職して新たに雇用保険に通算で12ヶ月以上加入してから離職する必要があります。

ただし、退職理由が会社都合や特定理由離職者であれば、6ヶ月以上 の被保険者期間で受給資格が発生します。

計算例:30歳・月収28万円・自己都合・5年勤続のDさん

項目
賃金日額9,333円(28万円 × 6 ÷ 180)
給付率約66.5%(中間ゾーンのため80%から50%へ逓減)
基本手当日額6,205円
所定給付日数90日(自己都合・5年勤続)
給付制限1ヶ月

総受給額は 6,205円 × 90日 = 558,450円

待期7日 + 給付制限1ヶ月を経て支給開始ですので、退職から初回振込まで約2ヶ月、最終支給まで約5ヶ月かかります。

例外:給付制限を0ヶ月にする方法

実は、給付制限を 0ヶ月 にできるケースがあります。

ケース①:教育訓練給付の対象講座を受講

ハローワークの受給資格決定後、待期7日間の中で 教育訓練給付の対象講座を受講開始 すれば、給付制限が解除されます。

ただし、受講開始のタイミングと講座選定がシビアです。

  • 待期7日間が満了する前(求職申込みから7日以内)に受講開始
  • 教育訓練給付の対象講座であること(厚労省検索ツールで事前確認可能)
  • 受講料の自己負担あり(教育訓練給付で20〜70%が後日給付されますが、初期持ち出しは必要)

データサイエンス・プログラミング・簿記・宅建など、職業に直結する講座が多く対象に含まれます。「次のキャリアに向けたスキル習得」と「給付制限解除」を同時に達成するルートとして、検討する価値があります。

ケース②:再就職活動の実績が一定以上ある場合

ハローワークが「正当な理由のある自己都合」と認定した場合、給付制限がかからないケースもあります。例えば次のような事情です。

  • 通勤困難(会社移転で通勤時間が片道2時間以上に増えた等)
  • 配偶者の転勤に伴う離職
  • 家族の介護のための離職

これらは「特定理由離職者」として扱われ、給付制限なしで支給開始されます。退職届の文面と、ハローワーク窓口での説明内容が判定の基礎となりますので、該当する事情がある方は離職票の離職理由欄を確認したうえで、ハローワークで相談することを推奨します。

注意:5年以内に2回以上の自己都合退職

自己都合退職を 過去5年以内に2回以上 している方は、給付制限が 3ヶ月 に戻ります(雇用保険法第33条第1項ただし書き)。

「短期間で複数回離職する方は、再就職を促す観点からより長い給付制限を設ける」という設計です。3回目以降の自己都合退職を予定している方は、改正後でも3ヶ月待ちの前提で家計を組む必要があります。

退職時期の調整余地

退職時期にある程度の選択肢がある場合、次の点を意識すると総受給額が変わります。

月末退職と月初退職の違い

退職日が月末か月初かで、賃金日額の算定基礎期間が変わるケースがあります。賃金日額は「退職前6ヶ月の総支給額 ÷ 180」で算出されますので、賞与支給月を含むかどうかは結果に影響しません(賞与は除外されるため)が、残業代が多い月を含むかどうかは影響します。

被保険者期間の境目

被保険者期間が9年11ヶ月の方が、10年到達まで在籍を1ヶ月延長することで、所定給付日数が 90日 → 120日 に増加します。賃金日額が6,750円の方であれば、30日 × 6,750円 ≈ 約20万円の差 が生まれます。

会社との合意が必要ですが、退職時期が選べる場合は被保険者期間の境目を意識する価値があります。

あなたの場合、いくら・いつから受け取れるか

賃金・年齢・被保険者期間を入れれば、改正後の制度に沿った試算が出ます。

シミュレーターで自分のケースを計算する →

出典・参考


最終更新: 2026年5月5日 改訂履歴: 2026/05/05 — 令和7年8月賃金日額改定を反映 / 2026/04/17 — 初版公開

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