再受給

9分で読了 ・ 2026/05/05 更新

失業保険を一度もらうと次は何年後?被保険者期間のリセットルール

失業保険を受給すると、それまでの被保険者期間がリセットされ、次回受給には「離職前2年間に通算12ヶ月以上」の加入が改めて必要となります。受給後の転職・再離職時に何年勤続が必要か、過去に申請しなかった分は持ち越せるか、ルールを整理します。

「失業保険を一度もらうと、次は何年後にもらえるのか」── 検索でよく見かける問いです。

答えはシンプルで、受給した時点でそれまでの被保険者期間がリセットされ、次回受給に向けて加入期間を積み直すことになります。「もらわずに転職した分は持ち越せるのか」も含めて、ルールと判断ポイントを整理します。

「リセット」の意味を正確に押さえる

雇用保険における「リセット」は、次のメカニズムで起こります。

受給資格決定のタイミングで切り離し

ハローワークで受給資格決定(求職申込み)を行った時点で、それまでの被保険者期間は「使用済み」として処理されます。基本手当を1日でも受給すれば、それ以前の被保険者期間は次回受給の算定基礎には含まれません。

受給資格決定後、何日もらったかは問わない

ここがよく誤解される点です。

受給資格決定をしただけで、実際には基本手当を受給する前に再就職した

このようなケースでも、受給資格決定があれば原則としてリセット扱いとなります。1日も受給していない方が「自分は受給していないからリセットではない」と考えるのは誤解です。

例外:受給資格決定後、就職促進給付(再就職手当等)を受けた場合

再就職手当を受給した場合、その時点で被保険者期間がリセットされます。「再就職手当を受けたから、その分の被保険者期間は引き継げる」とはなりません。

次回受給に必要な被保険者期間

リセット後、次回受給に必要な被保険者期間は退職理由によって異なります。

自己都合・定年など(一般受給資格者)

離職前 2年間 に被保険者期間 通算12ヶ月以上

新たな会社で12ヶ月以上勤務し、雇用保険に加入していることが要件です。「離職前2年間」のウィンドウですので、複数の会社を渡り歩いた期間も通算できます。

会社都合・特定理由離職者

離職前 1年間 に被保険者期間 通算6ヶ月以上

短い期間でも受給資格が発生します。「派遣切り」など、ご自身の意思によらない離職の場合、6ヶ月以上の加入で受給資格が認められます。

ケース別判定例

ケースA:受給後に転職、1年後に再離職(自己都合)

  • 30歳・自己都合で失業保険受給(90日分)
  • 受給終了後すぐに転職、1年勤続
  • 1年後に自己都合で再離職

判定:受給資格なし。新しい会社での被保険者期間が1年(12ヶ月)に満たない場合(ぎりぎり1年でも、賃金支払基礎日数11日以上が12ヶ月分必要)は、次回受給はできません。

ケースB:受給後に転職、2年勤続後に再離職(会社都合)

  • 30歳・自己都合で失業保険受給(90日分)
  • 受給終了後すぐに転職、2年勤続
  • 2年後に会社都合で再離職

判定:受給資格あり。会社都合は離職前1年に6ヶ月以上で資格発生のため、十分要件を満たします。所定給付日数は新しい年齢区分・新しい被保険者期間(2年)で算定されます。

ケースC:受給せずに転職、5年後に自己都合で離職

  • 35歳・自己都合で離職、ハローワークに行かず再就職活動
  • 30日後に転職決定、求職申込みなし
  • 5年後に自己都合で再離職

判定:前職の被保険者期間も通算可能。受給資格決定をしていない方は、被保険者期間の通算が継続されます。前職5年 + 現職5年 = 通算10年として扱われ、所定給付日数は10年〜20年未満の区分で算定されます。

このケースが「もらわずに転職するメリット」の正体です。次回離職時に、より長い被保険者期間で給付日数の上位区分に入れる可能性があります。

短期再離職の特例:給付制限3ヶ月の復活

注意すべき特例があります。

過去5年以内に 2回以上 の自己都合退職を経験している方は、給付制限が3ヶ月に戻る

この規定は、新しい職場での被保険者期間が要件を満たしていても適用されます。リセットされた被保険者期間とは別の論点として、過去の自己都合離職の回数がカウントされます。

5年以内に「自己都合 → 受給 → 転職 → 自己都合」の流れを経験した方は、改正後の1ヶ月制限ではなく 3ヶ月制限 で支給が始まる点に注意が必要です。

「申請しなかった」場合の被保険者期間

検索ニーズで多い「失業保険を申請しなかった、再就職した、その分どうなる?」という問いに答えます。

退職してハローワークに一度も行っていない場合

被保険者期間は 持ち越し

ハローワークで受給資格決定をしていない方の被保険者期間は、次の会社の加入期間と通算されます。「申請しなかった分は消える」と誤解される方がいますが、実際には次回離職時に加算されます。

退職してハローワークに行ったが、受給せずに再就職した場合

ハローワークでの「求職申込み(受給資格決定)」が起点

受給資格決定をしただけで、受給開始前に再就職した場合は、受給資格決定の有無で判定が分かれます。

  • 受給資格決定後、待期期間中に再就職 → 持ち越し可能(受給開始前のため)
  • 受給資格決定後、待期経過後(給付制限期間中)に再就職 → 場合により再就職手当の対象、被保険者期間は リセット扱い

実務的には、「受給資格決定後 = リセット起点」と考えるのが安全です。

受給期間の延長制度との違い

「リセット」と混同されやすい制度として、受給期間延長 があります。これは別の制度ですので注意が必要です。

制度内容
受給期間延長病気・育児等で就職できない期間を、受給可能期間(離職日翌日から1年)に加算する制度(最長3年加算 = 通算4年)
被保険者期間のリセット受給した時点で次回受給のための算定基礎がリセットされる仕組み

受給期間延長は「受給可能な期限を後ろ倒しにする」制度。リセットは「次回受給時に必要な被保険者期間が新たに必要となる」仕組み。両者は別の概念です。

65歳以上の方は別ルール

参考までに、65歳以上で離職した場合は基本手当ではなく 高年齢求職者給付金 の対象となります。一時金として一括支給されますが、受給による被保険者期間のリセットは同様に発生します。

詳細は65歳になる前に辞めた方がいい?で解説しています。

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被保険者期間と離職理由を入れれば、受給資格の有無と次回受給までの必要勤続年数の目安が出ます。

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出典・参考


最終更新: 2026年5月5日 改訂履歴: 2026/04/08 — 初版公開

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