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9分で読了 ・ 2026/05/06 更新

個人事業主・フリーランスでも失業保険はもらえる?業務委託の判定基準

個人事業主・フリーランス・業務委託で働く方は雇用保険の対象外で、失業保険を受給できないのが原則。ただし過去に会社員だった被保険者期間の活用、求職者支援制度、業務委託でも労働者性が認められる例外ケースを整理しました。

「個人事業主・フリーランスとして3年働いてきたが、廃業することになった── 失業保険は出るのか?」

結論としては、個人事業主・フリーランスの本業は雇用保険の対象外 です。ただし、過去の会社員時代の被保険者期間が残っていれば受給可能なケースや、業務委託でも労働者性が認められれば対象になる例外ケースがあります。

なぜ個人事業主は対象外なのか

雇用保険は 雇用関係 を前提とした制度です。個人事業主・フリーランスは雇用主のいない独立した事業者であり、法律上「雇用」に該当しないため、雇用保険の被保険者になれません。

具体的に対象外となる方

  • 個人事業主(青色申告・白色申告問わず)
  • フリーランス(業務委託契約のみで働く方)
  • 法人代表者(株式会社・合同会社の代表取締役)
  • 法人の役員(取締役・監査役等、労働者性なし)

過去の会社員時代の被保険者期間を活用する

個人事業主・フリーランスでも、退職前に会社員として雇用保険に加入していた期間があれば、その期間を活用できる場合があります。

受給資格の通算ルール

雇用保険の受給資格は 離職前2年間 (自己都合)または 1年間 (会社都合)の被保険者期間で判定されます。

例えば次のようなケース:

  • 2024年3月: 会社退職(被保険者期間10年)
  • 2024年4月: 個人事業主開業
  • 2025年9月: 廃業

この場合、2024年3月の会社退職から2024年9月(離職票発行から1年6ヶ月)以内に求職申込みをすれば、会社員時代の被保険者期間で受給可能でした。ただし2025年9月時点では既に1年経過のため受給期間外です。

ポイント:退職後すぐの起業に注意

会社員退職→個人事業主開業の流れで、雇用保険の受給期間(1年)を消化しないまま起業した方は、その被保険者期間が事実上「使えない」状態になります。

ただし、受給期間延長 を申請しておけば、廃業時点で受給を再開できる可能性があります。起業時点で「将来廃業の可能性」を見越した申請が有効。

業務委託でも対象になる例外

形式的には業務委託でも、実態が雇用関係に近い場合は 労働者性 が認められ、雇用保険の対象となるケースがあります。

労働者性の判定基準

  • 仕事の依頼を断る自由がない
  • 業務遂行の指揮命令を受けている
  • 時間的・場所的拘束を受けている
  • 報酬が時間給的(成果ではなく労働時間)
  • 機械・器具を会社から提供されている
  • 専属性が高い(他社の仕事を受けられない)

これらの条件が複数当てはまる業務委託の方は、実態として「雇用」とみなされ、雇用保険の対象となる可能性があります。

認定の方法

業務委託契約のまま働いていた方が「実は労働者だった」と認定されるには:

  1. 労働基準監督署に相談・申告
  2. 雇用保険の遡及加入手続き
  3. 過去の保険料納付(事業主・本人双方の遡及負担)

実務上、退職後にこれを行うのは時間がかかります。退職前から「自分の働き方は労働者性があるのでは」と認識していた方は、早めに労働基準監督署または弁護士に相談することを推奨します。

受給資格がない場合の救済策

過去の被保険者期間も活用できず、業務委託の労働者性も認められない場合の選択肢。

①: 求職者支援制度

雇用保険の対象外の方向けの公的救済枠。

  • 10万円 の職業訓練受講給付金
  • 通所手当(実費)
  • 寄宿手当(特定の場合)
  • 職業訓練(無料)を3〜6ヶ月受講

受給要件

  • ハローワークで求職申込み済み
  • 雇用保険の被保険者・受給資格者でないこと
  • 労働の意思と能力がある
  • 職業訓練を受講できること

詳細は失業保険がもらえない時の救済策で扱っています。

②: 国民健康保険・国民年金の免除

廃業後の国民健康保険料・国民年金保険料の減免・免除制度を活用します。

  • 国民健康保険: 前年所得の減少幅に応じて減額
  • 国民年金: 全額免除・3/4免除・半額免除等の段階制

詳しくは退職後の健康保険記事を参照してください。

③: 生活困窮者自立支援制度

家賃補助(住居確保給付金)等の包括的支援制度。各市町村の自立相談支援窓口で相談可能です。

計算例:パターン別の受給可能性

ケースA:会社員5年→個人事業主3年→廃業

会社員退職時に 受給期間延長 を申請していた場合のみ、廃業時点で会社員時代の被保険者期間で受給可能。延長申請なしの場合、受給資格は消滅済み。

ケースB:会社員5年→個人事業主1年→失業保険受給→廃業

会社員退職時に失業保険を受給していた場合、被保険者期間は リセット。個人事業主期間(1年)は雇用保険被保険者ではないため、廃業時の受給資格はなし。

ケースC:業務委託契約だが実態は雇用関係(5年)

労働者性が認められれば、雇用保険遡及加入の手続き後、通常の受給資格が発生する可能性。ただし時間がかかる手続きで、即時の生活費補填には向かない。

ケースD:純粋なフリーランス(雇用保険歴なし)

→ 求職者支援制度の利用が現実的。月10万円 + 職業訓練の組み合わせ。

起業を考えている会社員へのアドバイス

会社員退職→起業を検討している方は、退職時に次の点を確認しましょう。

再就職手当の起業活用

実は、退職→起業のケースで 再就職手当 を受給できる場合があります。

  • 個人事業主として開業した場合
  • 開業届を提出し、事業の継続見込みがある
  • 給付日数の3分の1以上を残しての開業
  • その他8つの要件を満たす

詳しくは再就職手当の完全ガイドを参照してください。起業時の運転資金として活用する選択肢があります。

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出典・参考


最終更新: 2026年5月6日 改訂履歴: 2026/04/10 — 初版公開

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