救済策

8分で読了 ・ 2026/05/06 更新

失業保険がもらえない時の救済策 — 求職者支援制度の使い方

雇用保険の被保険者期間が足りず失業保険を受給できない方向けの「求職者支援制度」。月10万円の職業訓練受講給付金 + 通所手当 + 無料の職業訓練を組み合わせた救済枠の受給要件・申請方法・対象訓練を整理しました。

「自分は失業保険の対象外だった」「被保険者期間が足りない」「個人事業主だった」── 失業保険を受給できない方向けの公的救済制度として 求職者支援制度 があります。

月10万円の給付金 + 無料の職業訓練 + 通所手当 という、失業保険に近い手厚さの制度です。この記事で要件と申請方法を整理します。

求職者支援制度とは

制度の目的

雇用保険の対象外の方(個人事業主・短期雇用者・専業主婦復帰等)に、職業訓練を通じた再就職支援を提供する公的制度。

主体

  • 厚生労働省(国)
  • ハローワークが窓口
  • 民間訓練機関に訓練を委託

給付内容

職業訓練受講給付金

  • 月額: 10万円
  • 受給期間: 訓練期間中
  • 訓練修了で支給終了

通所手当

  • 訓練校までの通学定期券代等の実費
  • 月額上限: 42,500円

寄宿手当

  • 訓練校近くに転居して受講する場合
  • 月額: 10,700円

訓練費

  • 受講料: 無料
  • テキスト・教材費は自己負担(数千〜数万円)

受給要件

3つの要件を すべて満たす 必要があります。

要件①: 雇用保険の対象外

  • 雇用保険の被保険者でない
  • 雇用保険の受給資格を持たない(または受給期間が終了している)

要件②: ハローワークで求職申込み

  • 住所地を管轄するハローワークで求職申込み
  • 労働の意思と能力がある

要件③: 所得・資産要件

項目上限
本人月収8万円以下
世帯月収25万円以下
全資産300万円以下

このうち最も厳しいのが「全資産300万円以下」。預金・株式・不動産(自宅除く)を合わせた額が判定対象です。

訓練の種類

基礎コース

  • 基本的なPCスキル・ビジネスマナー
  • 期間: 2〜4ヶ月

実践コース

  • 実務に直結する専門技能
  • 期間: 3〜6ヶ月

主な訓練分野

分野訓練科例
ITWebデザイン・プログラミング・データ分析
医療事務医療事務・調剤事務
経理・会計簿記・経理事務
介護介護職員初任者研修
営業・販売販売・接客
製造CAD・機械加工

申請の手順

ステップ1: ハローワークで求職申込み

通常の求職申込みと同じ手続き。求人を出してもらわなくても申込みは可能。

ステップ2: 求職者支援制度の対象判定

  • 雇用保険対象外であることの確認
  • 所得・資産要件の判定(書類提出)

ステップ3: 訓練校の選定

  • 希望分野の訓練校を選ぶ
  • 訓練校での選考(書類・面接)

ステップ4: 受講申込み

  • 訓練開始日が確定
  • ハローワークで「受講指示」を受領

ステップ5: 訓練受講開始 + 給付金受給

  • 月10万円の給付金が口座振込
  • 訓練修了まで継続支給

必要書類

申請時の書類

  • 求職申込書
  • 受講申込書
  • 本人収入の証明(給与明細・源泉徴収票等)
  • 世帯収入の証明(住民票・税の証明書等)
  • 預金通帳の写し(資産確認)
  • マイナンバーカード

訓練中の書類

  • 訓練校への出席簿
  • ハローワークへの定期出頭

出席要件

訓練期間中の 出席率80%以上 が継続受給の条件。病気等で欠席する場合は事前にハローワーク・訓練校に連絡。

訓練修了後の就職支援

ハローワークの就職支援

  • 訓練修了者向けの専任アドバイザー
  • 訓練校の修了者を積極採用する企業との橋渡し
  • 履歴書・面接対策

修了者の就職率

訓練科により異なりますが、概ね 70〜85% が3ヶ月以内に就職している統計があります。

失業保険との比較

項目失業保険求職者支援制度
受給資格雇用保険被保険者期間雇用保険対象外
月額賃金日額 × 給付率10万円定額
期間90〜360日訓練期間(最大6ヶ月)
通所手当訓練受講時のみあり
給付制限自己都合は1ヶ月なし

失業保険の方が金額面で手厚いですが、対象外の方には求職者支援制度が有力な救済策です。

計算例:個人事業主廃業のYさん(35歳・所持資産250万円)

5年間の個人事業主活動後、廃業し求職活動するケース。

求職者支援制度の利用

  • 6ヶ月の訓練受講
  • 給付金: 10万円 × 6ヶ月 = 60万円
  • 通所手当: 月20,000円 × 6ヶ月 = 12万円
  • 訓練費: 無料
  • 総額: 72万円 + 専門技能の取得

訓練修了後は通常の求職活動 + ハローワークの就職支援で再就職。

利用上の注意点

注意①: 出席率の維持

訓練期間中の出席率80%は厳格に管理。病気等で長期欠席する場合は受給停止のリスク。

注意②: 訓練修了の要件

訓練を最後まで修了することが受給継続の前提。中途退学は給付停止。

注意③: 所得・資産要件の再判定

訓練期間中も所得・資産の要件を満たし続ける必要あり。配偶者の収入変動等で要件外になる場合は受給停止。

あなたの利用可能性を確認

雇用保険歴・所得・資産を入れると、利用可能な訓練分野と給付額が確認できます。

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出典・参考


最終更新: 2026年5月6日 改訂履歴: 2026/05/07 — 初版公開

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