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10分で読了 ・ 2026/05/06 更新

パート・契約社員1年未満で離職した場合の失業保険の受給可否

パート・アルバイト・契約社員でも雇用保険の対象(週20時間以上+31日以上の雇用見込み)。1年未満で離職した場合の受給可否は、退職理由によって変わります。自己都合・会社都合・特定理由離職者ごとの判定、月8万円勤務の試算、過去の被保険者期間との通算ルールを整理しました。

「パートで2年勤続したけど、月8日勤務だったから失業保険の対象外?」「契約社員で半年で契約終了、自己都合扱いで12ヶ月足りない?」── パート・契約社員特有の判定ロジックを整理します。

雇用保険の被保険者は 正社員だけではありません。週20時間以上 + 31日以上の雇用見込みがあれば、パート・アルバイト・契約社員も対象です。ただし「1年未満で離職した場合」「月の出勤日数が少ない場合」など、判定が複雑になるケースが多いのが特徴です。

パート・契約社員の被保険者要件

加入対象の条件

雇用保険の被保険者となるには、次の3つを満たす必要があります。

  1. 31日以上の雇用見込み がある
  2. 週の所定労働時間が20時間以上 である
  3. 学生でない(昼間学生は原則対象外、夜間・通信制等は例外あり)

例えば、週3日 × 1日7時間(週21時間)勤務のパートは対象。週2日 × 1日6時間(週12時間)勤務のパートは対象外。

加入されているかの確認方法

  • 給与明細の「雇用保険料」の天引きの有無
  • 雇用保険被保険者証(入社時に会社から発行)の有無
  • ハローワークで「被保険者資格取得照会」が可能

「被保険者期間1ヶ月」の判定

雇用保険における「被保険者期間1ヶ月」のカウントは、賃金支払基礎日数 で判定されます。

カウント条件

  • 賃金支払基礎日数が11日以上 の月
  • または 賃金支払基礎時間が80時間以上 の月(短時間労働者の救済)

月8日勤務(賃金支払基礎日数9日)の場合

例えばパートで月9日勤務(基礎日数9日)の方は、その月は被保険者期間に カウントされません。月10時間 × 9日 = 90時間あれば80時間以上で月数カウントされますが、月8時間 × 9日 = 72時間ならカウント外。

通常のフルタイムパートの場合

週5日 × 1日6時間(週30時間)のパートであれば、月の出勤日数は20日程度になり、賃金支払基礎日数は11日以上を満たすため、月数としてカウントされます。

1年未満で離職した場合の受給可否

退職理由によって判定が変わります。

自己都合で離職

  • 必要被保険者期間: 離職前2年間に通算12ヶ月以上
  • 1年未満では原則 受給資格なし
  • 救済策: 過去2年間の他社勤務分との通算

会社都合(特定受給資格者)

  • 必要被保険者期間: 離職前1年間に通算6ヶ月以上
  • 6ヶ月以上 1年未満でも 受給資格あり

特定理由離職者(契約満了等)

  • 必要被保険者期間: 離職前1年間に通算6ヶ月以上
  • 6ヶ月以上 1年未満でも 受給資格あり

過去の被保険者期間との通算

「現職1年未満で自己都合退職」のケースでも、過去の被保険者期間との通算で受給資格が発生することがあります。

通算の条件

  • 過去の被保険者期間が、過去2年間(自己都合)または1年間(会社都合・特定理由)に存在
  • 過去に基本手当を受給していない(または受給資格決定をしていない)

ケース例

  • 2024年: 会社A(正社員)3年 → 自己都合退職、失業保険を受給せず転職
  • 2025年: 会社B(パート)11ヶ月 → 自己都合退職

→ 通算被保険者期間 3年11ヶ月。会社A退職から離職票交付までの期間が2年以内なら、合算で12ヶ月以上の要件を満たし 受給資格あり

詳しくは失業保険を一度もらうとどうなる?の記事で扱っています。

計算例:パート月8万円・週20時間・1年勤続の場合

ケースA:1年勤続で自己都合退職

項目
月収80,000円
賃金日額2,667円(8万円 × 6 ÷ 180)
適用される賃金日額3,014円(下限額が適用)
基本手当日額2,411円(下限額)
所定給付日数90日(1〜10年・自己都合)
給付制限1ヶ月
総受給額216,990円

賃金日額が下限を下回る場合は、最低額の 2,411円/日 が適用されます。

ケースB:契約満了で1年未満(10ヶ月)の特定理由離職者

項目
月収80,000円
基本手当日額2,411円(下限額)
所定給付日数90日(30歳未満・1年未満・特定理由)
給付制限なし
総受給額216,990円

ケースAと同額ですが、給付制限がないため支給開始が1ヶ月早く、生活防衛資金の必要額が少なくて済みます。

パート特有の論点

論点①: 短時間労働者の特例

週の所定労働時間が30時間未満の 短時間就労者 には、賃金日額の下限額計算で特例が適用されます。

賃金日額 = 退職前6ヶ月の総支給額 ÷ 180 で算出した値が低い場合、年齢区分の下限額(3,014円)が適用される設計です。

論点②: 被保険者期間が長期にわたる場合

正社員時代の被保険者期間がある方は、パート時代と通算可能。「正社員5年→退職→専業主婦5年→パート復帰3年」のケースでは、専業主婦期間で被保険者期間が中断されますが、過去の被保険者期間が消える訳ではなく、最後の離職から2年以内であれば通算できます。

論点③: 育児・介護のためのパート短時間化

正社員から育児・介護のためにパート短時間化した方が離職する場合、特定理由離職者(やむを得ない事由)として認定される可能性があります。

詳しくは特定理由離職者の認定基準を参照してください。

「被保険者でなかった」と分かった場合

会社が雇用保険手続きをしていなかったケースが稀にあります。

確認方法

  • ハローワークで「被保険者資格取得状況の照会」を依頼
  • 過去の給与明細で雇用保険料天引きを確認

遡及加入の可能性

会社が手続きを怠っていた場合、過去2年間まで遡及加入 できる場合があります。

  • ハローワークに「被保険者資格確認請求」を提出
  • 会社の労働基準監督署管轄での調査
  • 認定後、過去2年間の保険料を会社・本人で負担して被保険者資格を取得

時間がかかる手続きですが、認められれば被保険者期間として算入され、受給資格に届く可能性があります。

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出典・参考


最終更新: 2026年5月6日 改訂履歴: 2026/04/11 — 初版公開

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