職業訓練

11分で読了 ・ 2026/05/06 更新

職業訓練校に通いながら失業保険をもらう完全マニュアル

職業訓練を受講すると失業保険の給付制限が解除され、訓練期間中は受給期間延長 + 受講手当・通所手当の加算あり。公共職業訓練と求職者支援訓練の違い、申込時期、人気訓練の選び方、訓練給付金(教育訓練給付)との違いを整理しました。

「失業保険の給付制限を解除する方法として教育訓練給付がある」── ここまでは聞いたことがある方も多いです。さらに 公共職業訓練・求職者支援訓練 を活用すれば、給付制限解除に加えて、訓練期間中の受給期間延長・受講手当の加算など、追加メリットが複数あります。

この記事では、訓練の種類と活用方法を整理します。

訓練制度の3層構造

「訓練」と一括りにされやすいですが、実は3つの異なる制度があります。

①: 公共職業訓練(ハロートレーニング)

  • 対象: 雇用保険受給資格者
  • 主体: 国・都道府県(独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構)
  • 受講料: 無料(テキスト・教材費は自己負担、概ね数千〜数万円)
  • 期間: 3ヶ月〜2年
  • 内容: IT・建設・介護・事務・経理・電気工事等の専門技能

②: 求職者支援訓練

  • 対象: 雇用保険受給資格がない方(個人事業主廃業・短期雇用満了等)
  • 主体: 国(民間訓練機関に委託)
  • 受講料: 無料(テキスト・教材費は自己負担)
  • 期間: 2〜6ヶ月
  • 内容: IT・医療事務・経理・Webデザイン等

③: 教育訓練給付

  • 対象: 雇用保険被保険者期間が一定以上の方
  • 主体: 国(受給者が自分で講座申込み)
  • 受講料: 自己負担後に20〜70%還付
  • 期間: 数ヶ月〜数年
  • 内容: 民間スクールの講座(IT・語学・資格・経理等)

詳細は給付制限を0ヶ月にする方法(教育訓練給付)を参照してください。

公共職業訓練のメリット

雇用保険受給者が公共職業訓練を受講する5つのメリット。

メリット①: 給付制限の解除

自己都合退職の方が訓練を 給付制限期間中 に受講開始すれば、給付制限が 0ヶ月 に解除されます。

通常: 待期7日 + 給付制限1ヶ月 → 支給開始 訓練受講: 待期7日 → 支給開始(給付制限なし)

最大 1ヶ月分 の生活費を前倒しで受給できます。

メリット②: 受給期間中の延長

訓練期間中は、受給期間(離職日翌日から1年)を超えても 訓練修了まで受給継続 が可能です。

例えば離職日2026年6月→所定給付日数120日→訓練を9月開始(6ヶ月)の場合:

  • 通常受給期間: 2027年6月で終了
  • 訓練修了: 2027年3月
  • 訓練修了まで基本手当を 受給継続

メリット③: 受講手当・通所手当

訓練期間中は基本手当に加えて手当が支給されます。

手当
受講手当500円/日(最大40日分=20,000円)
通所手当通学経路の実費(最大42,500円/月)
寄宿手当寄宿の場合10,700円/月

メリット④: 訓練修了で実績作りが楽

訓練受講中は、求職活動実績の認定が緩和されます。訓練校への通学自体が活動実績扱いとなり、毎週実績を積む必要がありません。

メリット⑤: 専門技能の取得

無料で専門技能・資格を取得できる機会。修了後の就職率は 70〜80% 程度の訓練科が多くあります。

訓練校の探し方

ハローワークでの相談

  • 住所地の管轄ハローワークで「訓練」と申告
  • 担当者から訓練科一覧と募集スケジュールを受領
  • 適性検査・面談を経て申込み

主な訓練科の例

分野訓練科例期間
IT・プログラミングWebプログラミング科6ヶ月
事務・経理経理事務科4ヶ月
介護・医療介護福祉士養成科2年
建設・電気電気工事士科6ヶ月
製造機械加工科6ヶ月
語学・観光観光英会話科3ヶ月

人気訓練の倍率

特にIT系・Webデザイン系は 倍率3〜10倍 と高め。応募時に「真剣な就職意欲」「適性」をアピールする必要があります。

訓練申込みの手順

ステップ1: ハローワークで適性検査・面談

申込み前に、自分の適性とマッチする訓練を相談で絞り込みます。複数の訓練科を比較検討する余地があります。

ステップ2: 訓練校での選考

  • 書類選考(志望動機・経歴)
  • 面接(個人面接 or 集団面接)
  • 適性検査・筆記試験(訓練科による)

ステップ3: 合格 → ハローワークでの受講指示

訓練校から合格通知を受けたら、ハローワークで「受講指示」の発行を受けます。これが給付制限解除や手当加算の根拠書類となります。

ステップ4: 訓練受講開始

訓練開始日から、給付制限解除 + 各種手当の加算が始まります。

申込み時期のポイント

訓練科は 年間複数回 の募集サイクルがあります(4月・7月・10月・1月開講等)。

退職直後の申込みが理想

退職直後にハローワークに行き、「次の訓練科募集はいつか」を確認します。

  • 募集中: 即時申込み → 給付制限期間と訓練開始タイミングが噛み合う
  • 募集終了直後: 数ヶ月の空白期間 → 給付制限が満了してしまう可能性

退職時期を訓練募集サイクルに合わせて調整すると、給付制限解除のメリットを最大化できます。

計算例:30歳・月収28万円・自己都合・5年勤続のKさんが訓練受講

訓練を受けない場合

  • 待期7日 + 給付制限1ヶ月 = 約37日間の無支給期間
  • 基本手当: 90日 × 6,205円 = 558,450円
  • 総受給額: 558,450円

6ヶ月の訓練を受講した場合

  • 待期7日 → 訓練開始 → 給付制限なし
  • 基本手当: 90日 × 6,205円 = 558,450円
  • 受講手当: 40日 × 500円 = 20,000円
  • 通所手当: 月20,000円 × 6ヶ月 = 120,000円(実費上限内)
  • 訓練期間中の受給期間延長で、訓練修了まで全額受給可能
  • 総受給額: 約698,450円

差額は 約14万円(受講手当・通所手当の加算)+ 専門技能の取得 + 給付制限期間1ヶ月分の前倒し受給。

訓練受講中の注意点

注意①: 出席率

公共職業訓練では 出席率80%以上 が継続受給の条件。病気等で出席できない場合の対応をハローワークと事前に相談。

注意②: バイト併用

訓練受講中のバイトは、雇用保険受給中と同じルール(4時間/日、20時間/週)が適用されます。

注意③: 訓練期間中の就職

訓練期間中に就職が決まった場合、再就職手当の対象となる可能性があります。詳しくは再就職手当の完全ガイドを参照してください。

注意④: 訓練修了後の就職活動

訓練修了後は通常の受給フロー(4週ごとの認定・求職活動実績2回)に戻ります。修了後の就職率を高めるために、訓練校が就職支援サービスを提供しているケースもあります。

求職者支援訓練(雇用保険対象外の方向け)

制度の概要

  • 雇用保険の受給資格がない方向け
  • 職業訓練受講給付金: 月 10万円 + 通所手当
  • 訓練期間中の生活費補填

受給要件

  • ハローワークで求職申込み済み
  • 雇用保険の被保険者・受給資格者でないこと
  • 月収8万円以下(世帯収入25万円以下)等の所得要件
  • 全資産が 300万円以下

詳しくは失業保険がもらえない時の救済策を参照してください。

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出典・参考


最終更新: 2026年5月6日 改訂履歴: 2026/04/18 — 初版公開

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